管理人の湯めぐりウサギです。
今回は青森県の古遠部(ふるとおべ)温泉が事業継続・施設改修のためのクラウドファンディングを実施されているとの情報を目にしましたので、古遠部温泉とはどのような温泉なのか、またクラウドファンディングの詳細について記事にします。
本サイトを立ち上げた目的の一つは、源泉かけ流し温泉が将来にわたって引き継がれていく環境づくりのお手伝いです。
この記事により、少しでも多くの方にこの取り組みを知っていただき、古遠部(ふるとおべ)温泉さんの力になれれば幸いです。
古遠部(ふるとおべ)温泉とは?
概要・アクセス
青森県平川市にあり、秋田県との県境付近の温泉です。自然豊かな山中にあり、公式ホームページには、「携帯もつながらない」との記載がありました。
最寄り駅は、JR奥羽本線津軽湯の沢駅でタクシー約5分の距離、車の場合は東北自動車道碇ヶ関ICから約10分強の場所にあります。
住所:青森県平川市碇ヶ関西碇ヶ関山1-467
泉質
泉質は、「ナトリウム・カルシウム-塩化物・炭酸水素塩・硫酸塩泉」であり、浴用の適応症は、筋肉痛、関節痛、高血圧、糖尿病、疲労回復、睡眠障害、きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症などです(公式ホームページより)。
また、純温泉協会さんの情報では、「塩化物イオン、炭酸水素イオン、硫酸イオンを多量に含み、更にナトリウムイオン、カルシウムイオン、そしてメタケイ酸、二酸化炭素も多く含んでおり、お湯は笹濁りを呈し、ほんのり鉄分由来の香りが漂っている「温まる温泉」であり「肌に潤いを与えてくれる温泉」であり「傷を癒してくれる温泉」であり「美肌の温泉」である」、とのことです。
特徴・魅力
2023年のファン投票でドバドバ出る温泉ランキング1位
古遠部温泉は、毎分500ℓのお湯が湧き出しており、かつ、それが源泉100%かけ流しの状態で浴槽に注がれているため、浴室の床一面にお湯が流れています。その湯量は、湯船から溢れ出た「こぼれ湯」に仰向けになって寝転がることができるレベルで、その姿がトドに似ていることから、その楽しみ方は「トド寝」として親しまれています。
温泉2023年に行われた、温泉マニアが集う「ひなびた温泉研究所」に所属する500人超の研究員達の投票で湯量が豊富で本当にいい温泉ランキングで日本一を獲得しています。
純温泉協会がクラスA認定した温泉
古遠部温泉は、純温泉協会さんが、純粋な温泉としてクラスAの認定をされている温泉です。これは、完全放流式(かけ流し)、加水無し、加温なし、循環ろ過無し、消毒なし、添加無しを意味しており、最も自然な状態に近い形でお湯が提供されている大変貴重な温泉であると言えます。
歴史
公式ホームページに記載がありましたが、鉱山の発掘調査で黒鉱発掘のボーリング調査をしたところ、黒鉱の代わりに毎分500ℓ(ドラム缶2本半)という豊富な温泉が湧き、歯科医だった木村氏が温泉の権利を受け、病後の養生所にされたのが古遠部温泉のはじまりとのことです。
1986(昭和61)年に温泉宿として開業、2023年8月より現経営者の後藤正男さんへ事業継承され、今にいたっています。
クラウドファンディングの詳細
目的
以下のとおり、事業継続のための施設改修が、古遠部温泉がクラウドファンディングを立ち上げられた目的です。
・建物の修繕・バリアフリー化
・浴槽・浴室の拡張工事
・食事の提供許可がおりる工事
・客室の補修工事
・新しい設備の導入
クラウドファンディングプラットフォーム「CAMPFIRE (キャンプファイヤー)」に詳細な状況が記載されていますが、温泉から出る湿気による建物の老朽化、建物の歪みや床のへこみ、バリアフリー未対応など、今後温泉を続けていくうえで施設改修は避けて通れない状況にある様子です。
また、以前は食事提供をされていたとのことですが、保健所の規定が厳しくなっており、今の経営者の方が事業継承した際に新たに許可申請をされたところ、「今の設備のままでは食事提供の許可はおろせない」となったようで、お客さんは何かを食べたい場合は、約10㎞ほど降りたところのコンビニや食事処を利用するしかないという状況を解消する目的もあるとのことです。
プロジェクト立ち上げ人
プロジェクトを立ち上げた方は、古遠部温泉を運営している後藤正男さんです。
この方は、前社長の木村達夫さんが高齢で営業を続けることが難しくなったことから、前職のタクシードライバーを退職され、事業承継で仙台から移住、2023年8月から現職に就任されておられるようです。
参照元:青森「古遠部温泉」が宿泊業再開 「青森好き」の常連客が事業継承 – 弘前経済新聞
目標金額
目標金額は、5千万円に設定されています。
※執筆時点(2025/2/2 23時頃)では、959,500円が集まっていました。
支援額・リターンについて
支援額については、千円から2百万円までの額で募っておられ、それぞれの額に応じて以下のようなリターンを設定されています。詳細はこちら(日本一お湯がドバドバ出る古遠部温泉を守りたい。 – CAMPFIRE (キャンプファイヤー))をご覧ください。
・お礼のメッセージ
・入浴回数券
・入浴パス(1年間)
・入浴パス(廃業まで)
・古遠部温泉の名前入りタオル
・古遠部温泉のオリジナル手ぬぐい
・宿泊券
・ペア宿泊券
・貸切宿泊券
・温泉成分の固まった温泉石
・古遠部温泉のステッカー
・古遠部温泉のTシャツ
・古遠部温泉のトートバッグ
・ホームページに名前掲載
・古遠部温泉の受付付近に名前掲載
このプロジェクトを支援する方法
クラウドファンディングプラットフォーム「CAMPFIRE (キャンプファイヤー)」を活用し、支援を募っておられるようです。興味関心がある方は、是非、こちらの情報をご覧ください。
日本一お湯がドバドバ出る古遠部温泉を守りたい。 – CAMPFIRE (キャンプファイヤー)
期間・今後のスケジュール
クラウドファンディングプラットフォーム「CAMPFIRE (キャンプファイヤー)」のサイトには、以下のとおり記載がありました。2025年3月まで支援を募られ、目標額の達成・未達成に関わらず、4月に改修工事に着工される予定ですが、可能な限り目標額に届くことを祈るばかりです。
2025年02月:クラウドファンディング開始
2025年03月:クラウドファンディングの締切
2025年04月:改修工事着工予定
2025年04月:リターンの発送開始
2025年12月:工事完了予定
2026年01月:宿泊再開予定
最後に
私個人は古遠部温泉さんには入浴した経験はまだありませんが、このクラウドファンディングを目にして、古遠部温泉さんについて調べれば調べるほど、全国的に多くのファンの方がおられる貴重な温泉であることを知ることができました。
冒頭にも書きましたが、私がこのサイトを運営する目的の一つは源泉かけ流し温泉が将来にわたって引き継がれていく環境づくりのお手伝いです。
先日、私が以前訪問した温泉旅館さんが数年前に被災され、そのまま廃業されたことを知り、非常に悲しい思いをしました。
温泉は日本全国にありますが、一つとして全く同じ温泉というものは存在せず、例え一度しか訪問したことが無い温泉であったとしても、入浴した人間一人ひとりの幸せな思い出として記憶に残り続けるものですので、それが無くなってしまうことは非常に悲しいことです。個人的にも古遠部温泉さんの取り組みについて、僅かばかりの金銭的支援を行いたいですが、立ち上げたばかりで大した力のない本ブログでも情報発信をせずにはいられなくなり、今回はこのような記事を掲載しました。
このプロジェクトが実を結ぶことを祈念すると同時に、いつか、新たに生まれ変わった古遠部温泉さんを訪問したいと思っています。
参考元
日本一お湯がドバドバ出る古遠部温泉を守りたい。 – CAMPFIRE (キャンプファイヤー)
青森「古遠部温泉」が宿泊業再開 「青森好き」の常連客が事業継承 – 弘前経済新聞
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